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そんな緊張のその時、微かに笑う雅弘
雅弘はすり足で前に出る
その時、源五郎は動く!
バッと大きく半歩前進する
それに合わせて雅弘の木刀は振り抜かれる!!
しかし、源五郎はそれを待ち構えていたようにババッと後ろに引きかわそうとするが、源五郎は己が目を疑う!
雅弘は木刀を手放し、その木刀を源五郎に投げ付けたのだ!
源五郎は素早く投げ付けられた木刀を己が木刀で叩き落とす!
その時!ブワッと源五郎の顔に影が被る
雅弘は源五郎に木刀を振り投げ、そのまま駒の様に身体を回転させながら宙に跳ね、回し蹴りで源五郎の整った顔面を蹴り抜いたのだ!
堪らずその場に倒れ込む源五郎
そして先程叩き落とされた雅弘の木刀を足で蹴り上げ手に持つとその切っ先を源五郎の首に押し付ける雅弘
「勝負ありですね春日様!」
「くっ…おのれ!」
源五郎はなまじ剣術が優れているが故に投げ付けられた木刀に反応出来たがため、意識が木刀にそれてしまい想定外の雅弘の体術には対応出来なかったのだ
悔しがる源五郎
卑怯な…剣術の勝負に体術を使うなど…
そう思うが口には出さない源五郎
わかっているのだ。
体術を使おうが何しようが木刀を首に押し付けられたのだ
完全なる敗北、卑怯などと言える状況ではない
2人の勝敗を見た晴信は立ち上がり
「見事である!日高雅弘!誉めてつかわす!!」
そう言うとハッハッハ!と笑い横にいる信方もハッハッハ!と笑う
「その体躯で素早き見事な体術である!良き勝負であった!源五郎!そう気を落とすな、お主も見事な剣術であったぞ!」
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