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満面な笑みで信方は春日源五郎と日高雅弘の2人を褒める
すると源五郎は「ハハ!」と、片膝を地に付け頭を下げる
それを見た雅弘も源五郎の真似をして跪き
「ありがとうごさいます!」
と、頭を下げる
信方は頭を下げる2人を見て晴信に進言する。
「お舘様、この日高雅弘に褒美として新たな名など与えては如何でしょうか?」
「ふむ、そうじゃのう…」
信方にそう言われ晴信は顎を撫で考える
「うむ!弥七郎じゃ!これかは日高弥七郎雅弘と名のるが良いぞ」
「ハハァ!お舘様より頂いた弥七郎の名を一生の誇りとし、これより日高弥七郎雅弘と名のります!」
などと、おべんちゃらを言うが雅弘は心の中では
(なんだそれ!褒美つったら普通、金じゃねえのかよ!)
と悪態をついていた…
そんな事を思われているとは知らずに晴信はドヤ顔で雅弘に与えた名の意味を説明する
「弥とは弓の弦を端と端を近づけ張り渡す様子を表していると言う。その事から端から端まで行き渡ると言う意味がある!つまり、弓は戦には無くてはならぬもので武勇を司るものでもある!よって日高弥七郎雅弘の武勇をこれから侵攻する信濃の端から端まで行き渡らせると言う意味を持たせている!」
そう言うと近習が墨と半紙を晴信に差し出す
するとウムと、それを手に取り弥七郎と書きその字を見せる
「そして文月の今日、我が武田家に仕える事から七朗としたのじゃ」
「まっこと、良き名ですな!」
晴信が雅弘に与えた名の由来を説明し終えるとすかさず信方が褒めたたえるとまた、2人でハッハッハ!と笑い始める
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