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宴には当然、日本酒がある、しかも白く濁っている
ゴリゴリのお酒だ!
雅弘の口には合わない…
酒が進まない雅弘を見て隣にいる山本勘助が言ってくる
「なんだ、弥七郎とやら…酒が進んでないのう?」
「あ、いえ…ちょっとだけお酒が苦手でして…」
「なんだ主、下戸か?」
(下戸?なんじゃそりゃ?)
と、思いながらハハ…とっ苦笑いする雅弘
それを見た源五郎は雅弘の前に来て
「お舘様からの祝いの酒を飲めぬともうすのか?武田武士ともあろう者がそれでいいと思っているのか!」
そう言って酒を雅弘の器に並々と注ぎ入れる
(うぉ!コイツ…勝負に負けたからって根に持ってやがるな!)
すると酔った板垣信方がやってきて
「ウム、武田武士たるものお舘様より頂戴いたした酒を飲めぬとは如何なる事か!飲めい!弥七郎!!」
(なんだよ、こいつら超絡み酒じゃねぇかよ…)
とはいえ、新参者の雅弘がこの様な宴に参列出来るのはとても特別な事なのだ
酔ったオッサン共の言うことを拒む事は出来ない…
雅弘はグッと注がれた酒を一気に飲み干す
すると板垣信方、山本勘助は喜び
「おお!見事な飲みっぷりいけるではないか!ハッハッハ!」
と笑い褒めるが雅弘は
(ウゲェ…不味ぃ…)
と吐きそうになる。
そんな雅弘が飲み干しばかりの器に源五郎は含みのある笑顔で更に酒を注ぎ入れる
(コイツ…マジか…)
新たに注がれた酒を当然飲み干せと言わんばかりの目で雅弘を見る板垣信方と山本勘助に、意地悪な笑みを浮かべる源五郎
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