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すると残念そうな顔で
「ふむ…まぁ、旅の疲れもあろう今宵はゆるりと休むが良いぞ、今宵はな…」
と、言っておとなしく部屋から出て行く晴信
冷や汗をダラダラと流し
(マジか!武田信玄!武闘派戦闘集団の当主なんだから当然…アッチも攻めなんだよな…)
ゾッとする雅弘…
(武田信玄は結構好きな武将だが…ケツは貸せねぇ)
雅弘は戦国時代が如何なるものかを新たに理解する
命と健康を守るだけではなく…
男としての貞操も守らねばならない時代なのだと!
晴信が部屋を出るときに言っていた…
“ゆるりと休むが良いぞ、今宵はな…”
今宵はって…じゃ、明日は?
明日はやられちゃうの!?
その時、雅弘は気づく
あの板垣のオッサン…まさか、最初っから俺を信玄の夜の相手をさせる為にこの館に招き入れたんじゃないだろうな!?
あぁ…ひょっとしてあの春日源五郎って…俺に最初っから敵対心を剥き出しにしていたのは俺に信玄をそっちの意味で取られると思っていたからか!?
イヤイヤ!俺、そっちの趣味無いから!!
マズイ!逃げなきゃ…
そんな事を考えていると殆ど寝れずに朝を迎える
雅弘はとりあえずそそくさとバイクの方に向かう
バイクで逃げるのだ
そう、この時代の者はバイクが如何なるものかを知らない
だからこそ、ここ躑躅ヶ崎館に来るときはエンジンをかけずに押して歩いてきたのだ
逃走する時の為に!
そう思いながら、バイクを押して外に出ようとすると
「弥七郎!何処ぞに行くつもりだ?」
と、後ろから晴信に声をかけられる
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