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(てっいうか、こいつらなんだ?)
着ている服は着物だが…
いや、着物と言うには少し語弊が有るかもしれない…
着物と言うとシックな、もしくは絢爛な感じの高級感があるように思えるが、この村人達が着ているのは着物と言うより浴衣?
祭りとかで着るような感じだが、浴衣のような風流性はない継ぎ接ぎだらけで茶色く黄ばんでいて兎に角、汚ならしい
しかも雅弘を取り囲んでいるはずなのに立ち上がると回りの景色が一望できるほど、このオッサン共は小さい、150センチ程の身長しかないようだが…
因みに雅弘の身長は172センチ
そして、このオッサン共は農具を片手に雅弘を威嚇しているようだが、襲っては来ない
するとこの村人のオッサンの1人が言う
「オメェさん、えぇ匂いがするがどこぞの公家様か?」
(良い匂い?ああ、母さんが洗濯するときにいつも柔軟剤を使っているからその匂いか?それとも俺が愛用している千円もしない香水の事か?)
そんな風に考えていると村人は独り言のように話す
「それにしても珍妙な格好をしているの…都では今、そんなんが流行っておるんかいのぉ…」
日高雅弘の格好は青いパーカーにジーンズ
ファッションに興味はなく、別に珍しいものは着込んでない。
ていうか、この小さいオッサン共の方が珍妙だろ…
なんか、ボサボサで整ってはいないが髷を結っているし…
そう、思う雅弘は取りあえず聞く
「あぁ、えっと…すみません、ここ何処?」
村人達は互いに顔を見合わせ、1人の村人が答える
「ここは、甲斐国甲府の外れにある綾端村じゃけんども主ゃあ何処からおいでなすった?」
「えぇっと、神奈川県から来たんですけども…」
怪訝な顔をする村人達
「神奈川県?何処にある村じゃ?」
(え?神奈川県知らないの?ひょっとしてこいつらスゲェ馬鹿なの?)
雅弘は必死で考える
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