34人が本棚に入れています
本棚に追加
神奈川県を知らないって…
「ほら、東京の隣の県で横浜とか鎌倉とか、湘南とか…あと、小田原とかがある所だよ」
と、雅弘は応えるとオッサン共は目の色を変えて慌てる
「なに!?小田原!主ゃあ北条の間者か!」
………、
「いや、ちげーよ…」
だが、流石に理解できた…
神奈川県を知らなく、小田原と聞いて北条の間者と疑う小汚い小っこいオッサン共に俺を取り巻くこの風景…
あり得ない事だが、これが所謂かの有名な…
「戦国タイムスリップってやつかぁー!」
興奮してつい声に出してしまう雅弘
「ひっ…せ、せんご…く…なんじゃって?」
いきなり大声を上げた雅弘に驚き腰を抜かしその場にへたり込む村人達
(なんだ?こいつら…スゲェ臆病だな…)
恐怖に怯え雅弘を見上げる村人達に少し優越感を持ちながら
「ところで、今何年?」
自分達を見下ろしそう聞かれる村人達は互いに顔を見合わせながら答える
「な、何年ってなんじゃろか?」
(へ…?いや、流石に西暦では答えないとは思っていたけど…)
「いや、ほら…応仁とか、永禄とかあるでしょ?」
「わしらぁ…百姓ですけぇ、そげな難しい事はわからねぇだよ」
(使えねぇ…汚えは臭ぇは小っこいはで、何の役にも立たねぇなぁこいつら…)
その時、村人達の後ろから数名の従者を連れ、馬に乗って近づいて来てくる者に気付く
「ん?誰だあれ…」
最初のコメントを投稿しよう!