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「よし、付いて参れ!お舘様に審議してもらう」
(えぇ!審議!?やっぱ疑われているんだ…)
「あの、ちょっと待って下さい荷物があるんで…」
そう言うと後ろにある自身のバイクを押して板垣のところに向かう
それを見た板垣は驚き聞く
「なんだ、それは!?」
「あ、ただの荷車です!」
笑顔で答える雅弘の言葉にあからさまに怪しそうな顔をする板垣
「荷車…?」
当然の反応と言える
戦国時代にバイクなんてないし、この時代の荷車とは全然違うのだから…
と言うより荷車じゃないし
バイクだし…
確かにタンデムシートの後ろにはお泊まり道具一式を入れているバックを縛り付けて運んでいるがエンジンもかけずに押している状態なら背中に背負った方が楽な量だ
バイクを知らなくてもただの荷車じゃない事は理解出来る
「まぁ、よい付いて参れ」
そう言うとパッカパッカと馬を歩かせ始める板垣
そしてバイクを押して歩く雅弘を囲むように板垣信方の従者達も付いていく
「あの…因みに今、何年になるんですかね?色々と旅を続けていたらわかんなくなっちゃって…」
へへ、と作り笑いをしながら板垣に質問する
「ん?今は天文15年じゃが、それがどうしたのじゃ?」
「あ、いや…親もとから離れて随分立つなぁ…て、思って…」
雅弘は必死に考える
(天文15年!何があったっけ!?思いだせ!俺!さっきの反応から見て、まだ北条とは同盟を結んでないようだから…甲相駿の三国同盟はしていない…でも、北条とそんなに仲が悪いようでもないような…)
雅弘は意外と戦国時代が好きだったが、勉強が好きなわけではないので天文15年に何が起きていたかなんて覚えているわけなかった
そう、雅弘は戦国時代が好きなだけで詳しくはないのでいくら考えても意味がなかった
(ダメだ…わからん!こんなんだったら勉強しとくべきだったなぁ)
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