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(て、言うか…いつまで歩かせる気だ…)
付いて参れと言われて素直に付いて歩いているが…
かれこれ1時間以上は歩いている。
バイクを押した状態でだ!
雅弘の腕や足はもう、パンパンだ
(ちょっと直ぐそこまで付いて来い的な感じかと思っていたけど…どんだけだよ!バイクを押してる身にもなってくれ!コイツらの感覚ってアレか?北海道の人達の1時間はかかる場所なのに直ぐそこだよって言っちゃうのと同じ感じの奴らなのか!?)
そんな風に、1時間以上も連れられて歩いているのになんの悪気も無い様子で平然としている板垣信方とその従者達に心の中で悪態をついていたら…
ふと気付く、周囲には田畑がなく塀で囲まれた屋敷が建ち並んでいる
武家屋敷だ
すると、板垣は声を上げる
「おぉ、見えてきたぞ!我がお舘様が居られる躑躅ヶ崎舘じゃ!」
「へぇ…あ、そう…」
と疲れていて興味を示さなかったが躑躅ヶ崎舘の大手門を見た雅弘は一気にテンションが上がる
「オォオオオ!アレが躑躅ヶ崎舘!武田神社とは全然違うな!」
雅弘が目の当たりにした躑躅ヶ崎舘はいつぞや見た武田神社とはかなり違っていた
躑躅ヶ崎舘の入口大手門の前には三日月堀の丸馬出が設けられていて攻撃的な防御思想が垣間見れる出入り口となっていた
無骨で生々しい丸馬出
攻め寄せる敵をただ、塞き止めるだけではなく如何に敵を食い殺し撃滅するかを思考しての作り
雅弘が言った通り躑躅ヶ崎舘跡に建てられた武田神社には丸馬出はない
戦国好きにはたまらぬ光景だ
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