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決闘!
何となく板垣信方の態度に違和感を感じながら躑躅ヶ崎舘内に招かれ、広間の中心にてポツリと待たされる雅弘
(なんだろう…板垣信方って、もっと気性の荒い人物と思っていたけど、こんな簡単に流れ者を主家の舘に招き入れるものだろうか?)
暫し考える雅弘
あぁ、でも…山本勘助も武田家に推挙したのは板垣信方って話しがあるしなぁ…
あのオッサン、チョロすぎないか?
危機感が無いというか…なんていうか…
そういえば、村上義清との戦いで…
確か上田原の戦いだったっけ?
先陣となって緒戦は優位に戦を進めたけど、慢心して敵前で首実検をしているときに村上勢の逆襲を受けて討ち取られたって話しもあるし…
あんな感じじゃぁなぁ…
などと思っていると後ろから、その板垣信方が広間に入って来て
「待たしたな、日高!今よりお舘様が参られる心せよ!」
そう言うと日高雅弘の右斜め前に座る
すると広間の奥の脇にある襖が開かれ、それを見ると板垣は頭を下げる
雅弘もそれに習い頭を下げる
(おぉ!武田信玄の登場だ!)
「日高雅弘とやら、面を上げい」
「ははぁ!」
時代劇ドラマによくある場面に心踊る雅弘
と、顔を上げ武田家当主、武田晴信をその目に入れる
(うん、わかっていたけどね…やっぱり小さい)
予想はしていたがやはり武田晴信も小さかった
堂々とした姿勢で胸を張り威厳はあるのだが、かなり小柄である
最初に会った農民とたいした変わらないのではないかというぐらいの体付きだった
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