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「また水揚げが3万ちょいしか行かなかったわ」
水無月菜々子(仮名)は車載のタクシー料金メーターからプリントアウトした売り上げ伝票を見ながら項垂れつつ呟いていた。
「ああ……あたし、小さなタクシー会社に雇われたは良かったけど、頑張っても頑張っても売り上げ底辺だし」
――試験に落ちちゃったからタクシー無線すら使えないオバカな、ほんと、役立たずな新人だわ」
実は、水無月菜々子(仮名)というアラサーな女子、彼女は東京23区の下町にある無名な弱小タクシー会社に入社したばかりの、タクシー無線を使う免許すら持っていない、辛うじて地理試験には合格できた新人ドライバーだったりする。
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