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「やはり全面的に移民を受け入れるしかないのではないでしょうか。雇用年齢の引き上げにも限界があります」発言したのは、熊木田の次に若い宇宙開発事業団の木元麻里亜理事長だ。
「木元さん。大和民族の血を汚すなど、あってはなりませんよ」メディアのドンと言われ、今なお政界に影響力を持つ老人が応じた。
「その通りです」メガバンクの頭取が、老人の意見というより、仲間である老人そのものを支持する。
「そもそも、純粋な日本人の血統を維持しながら、経済を立て直す計画を立案するのが、この会議の使命ではないか!」議長が持論を展開した。
「神国日本を海外に開放するなど、左翼かぶれも甚だしい」
人口減少下での経済政策など客観的な正解はない。正解がない以上、議論は大きな声のつくる空気に流される。人選の段階で、すでに答えは決まっているといえた。
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