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瞬間、血の気が引いた。絶対神たる完神が、新神族に過ぎないクテンに頭を下げているではないか!
「完神様! お止め下さい!」「完神様!」
「私に出来る事は、この程度の事だ。二神族に泣きつかれ、この事態を打開すべくここへ来たものの、出来る事と言えば、お前に頼む事だけなのだ」
クテンは後悔し、激しく涙した。己の愚かな行為によって、いや、己の『何もしない』という判断によって、自分の敬愛する完神様にこのような行為を強制してしまった。
クテンの流した涙は丸となり、至る所に散らばった。丸は《文章》に固着し、丸の付いた《文章》は、やがてあるべき姿になって消えていった。
増殖し続けていた《文章》が見る間に消えていく。
事態は収束した。
「完神様、申し訳ありませんでした。処罰は何でも受けます。どうか、私に罰を!」
クテンは再び平伏し、完神に乞うた。
「いいえ、このクテンと私は一心同体! 彼の罪は私の罪! このトウテンを罰してください!」
続けてトウテンも平伏し、完神に乞うた。クテンは驚いたが、しかしそれよりも完神様の処罰を待つべきだと言葉を発しなかった。
恐ろしい程静かな沈黙。しかし完神は優しく答えた。
「良い。事態は収まった。ありがとう」
「ですが!?」
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