クテンは苦悩していた。

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 そう。クテン達は二神族には含まれない、新たな神族。世界に秩序をもたらす為に創られた新しき神族。それ故に…… 「まあ、その為に二神族の皆様には散々お世話になってるけどね」  トウテンは苦笑混じりに言う。  お世話なんて物ではない。クテン等新神族は二神族から迫害されている。  ことある毎に絡まれ、小突かれ、蹴飛ばされ、バカにされる。  新神族にだって意地がある。最初の内は絡まれる理由も分からないので、逆らったり、言い合ったり、噛みついたりした。しかしそもそも体格が違う上に数を頼んでの暴力。敵う訳もない。時には立ち上がる事も叶わない程に痛めつけられた。  その内新神族は、面倒事に関わらないように彼らを避けて通るようになった。絡まれても関わらない。小突かれても怒らない。へらへら笑って、その場をやり過ごす。文字通り、「触らぬ神に祟り無し」。  二神族の言い分はこうだ。 「我らの作り出した素晴らしい《文章》を寸断し、細切れとする奴らが許せない!」 「秩序をもたらす? 己等の都合の良い世界を構成したいだけではないか?」     
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