アラビアンナイト

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夏樹にそう言われて、ようやく秋哉も納得した様子で、 「うん、そーだな! オレがハルを止める」 力強くコクンとうなずく。 太陽が輝くような、全開の笑みを浮かべる。 その顔は、夏樹の心もホッと安心させた。 春一もようやく肩の力を抜いたようだ。 ふわりと瞳が緩んでいる。 秋哉の笑顔には、人を癒やす力がある。 夏樹は、 「おお、安心しろハル。オレがいつでもハルのことは止めてやる」 なんて言いながら、怪我した春一の肩をバンバン叩く秋哉を愛おしげに眺める。 『そーだよ春。俺たちはそれぞれに役割がある。そういう兄弟だ。春が何をしても俺たちが必ずフォローする。だからこれからも遠慮なく、春は春らしくいればいいんだ。俺たちがいる。いつも一緒にいる』 翌朝、来生家の前に、ジェイド大使館から迎えの車が横付けされた。
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