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「手を出したくても出せない高嶺の蕾〝ましろたん〟」
「あ、ヲタ受けですかっ」
──やっぱり嫌だ、そんな立ち位置。
デスクの穴から出たいのは山々だが、なんだか私にピッタリな場所な気がして出る気も失せてしまった。
「仕事はどが付くほど丁寧でフォロー上手。雰囲気は蕾そのもの、ボタン一つはだけないほど清楚。誰の手垢もついてなさそうなお前をこの手で乱してみたい、オトコの願望だよ」
なんて貴方は偉そうに野獣道を語るけど、実際は違くて。
どが付くほどうっかり者だから、人の何倍も丁寧にこなさないとミスだらけになるというだけ。清楚でもなんでもなく、乱れたことをするのが怖いだけ。
人間ちっさいだけなんです……。
「買い被りすぎです」
「そうかもね。でも──その無垢な殻一つ残らず剥がして、乱して、滅茶苦茶にしてやりたい。名前通りの真っ白い肌に欲望を埋めてみたくなる、俺も」
「んっ」
官能小説でも朗読してるかのような艶やかな声色が妙に擽ったい。身衣一枚一枚脱がされている気分にさせられ、思い掛けず身がよじれる。
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