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とまあそれはともかく、つまりはこの身の安全が守られた代わりに、後に入って来た彼女とおっ始まってしまったのだ。それも私のデスク前で。
私の逃げ道を封じたスーツ足に何度ボコられそうになったか。出るに出れず、逃げるに逃げられず、私大涙目である。
と、目で悲痛を訴えていようが、彼女は視聴者が居たことに驚き絶句していて、真山さんときたら私の返事などどうでもいいといった感じ。
「へーえ」
「?」
さらには悪戯に笑み、何やら黒魔術を唱え出したのであった。
「そんなに俺が信用できない? 可愛い〝ましろ〟、こんなとこ隠れて。お前しか要らないって言ったろ、意地張ってないで早く俺のものになれよ」
「へ?」
──〝桐谷 ましろ〟確かに私の名前。
だけど、下の名前まで知られているとは思わなかったし、事務的なことしか話したことのない真山さんに肩を寄せられる身に覚えは全くない。
それでも気まずそうにしてた彼女はザーッと青ざめていく。
「嘘、桐谷ましろが真山さんの? 桐谷さんだけはマズいわ。そいうことなら早く言ってよ!!」
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