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頭の中で〝真山さんが狙ってる女は桐谷さん〟という人間相関図の矢印が引かれてしまったようだ。デスクの穴に向かい何度も頭を下げられる。
「ごめんなさい桐谷さん。知らなかったの貴女のこと、本当よ? 見てた通り真山さんは貴女だけを愛しているわ、安心してね?」
「え? え?」
「だからお願いこのままわたしを会社に居させて!」
「ど、どうぞ」
「本当? 良かった~恩に着るわ有り難う!」
「あ、でもなんか違うの待っ──」
逃げるように立ち去っていく彼女に声も手も伸ばしたが、虚しくも一方通行で終わってしまった。
そんな私をプークスクスと嘲笑しているオトコが約1名。
「真山、さん……?」
──なに、してくれちゃってんすか……。
とりあえず、檻と化した2本のこれをどうにかしてもらわないと身動きが取れない。
「足どけて頂けませんか」
「どうして」
「追い掛けて早く誤解を解かないと。真山さんは群がってくる女子を遠ざけたいが為にああ言ったんでしょうけど、私困ります」
あの手の女子は口が軽い、速攻でみんなに触れ回る。このままでは明日出勤したら真山さんと私の噂で持ちきり間違いなし。
色んな意味で末恐ろしい。
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