好き、好き… 好き。

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──タクシーを走らせ約1時間後。 私たちはお姉ちゃんの家の最寄り駅〝広尾駅〟に到着した。 真山さんトラップのせいで麻央たちもまだ居る可能性は高い。だけど今夜は違う店で待ち合わせをした。 此処はパンケーキが美味しいと有名なカフェレストランである。夜はBARとしても使えるんだとか。 真山さんとお姉ちゃん……2人を同じ視界に入れるのはバレンタインデー以来。 徒歩圏内だからお姉ちゃんは先に来ていて、テーブルにはお水が一杯置かれていた。 「──悪い待たせた?」 「う、ううん今来たとこよ。ごめんねこっちまで来てもらって」 そうは言ってもコップはだいぶ汗をかいている。 真山さんの強引さに負けて来てしまったけれど、お姉ちゃんに対してとても残酷なことだ。やはり姉妹で話をすべきだったのかもと早速後悔した。 「……お姉ちゃ、」 「な、何か頼もっか。2人ともお腹空いてないの?」 不自然だらけのお姉ちゃんがメニューを差し出してくれたのだが、ピンと張った糸の上に立たされているようなこの状況では食事も喉を通らない。 もっとも、パクパクもぐもぐしながら話す内容ではないのだ。 「あ、いいのいいの気にしないで。お腹空いてないよ!全然空いてなんかないからっ!」 ぐうーーー。
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