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店内は薄暗くて、壁のところどころにヒビが入り、天井にはクモが華麗な巣を作っている。
そして古い棚には壊れかけた骨董品がいくつか並べられている。
私は小さな椅子に座らせられて、おばあさんに手のひらや顔をじっくりと見られた。
名前と生年月日の記入は必要ないのかしら?
「あんた、金運最高だね」
おばあさんが目を見開いて感心するように声をもらした。
「あ、そうですか」
「稼いでんだろ?」
「まあ、そこそこに」
「今後も順調だよ」
「ありがとうございます」
訊きたいのはそういうことじゃないんだけどな。
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