2、どうしてここにいるんですか?

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「悪い、遅くなった」 「よかった来てくれて」 その人と幹事君が交わした言葉を聞いて、なんだか妙にそわそわした。 もし、私の勘違いじゃなければ、私はその人をとてもよく知っている。 「遅れてすみません」   遅刻男がみんなに頭を下げる。 経理の子が「うそ、かっこいい」と声を上げた。 人事の子が「先生って感じがするわ」と言った。 私はうつむいたまま、顔を上げることができない。 心臓が飛び出しそうなほどに早鐘を打ち、全身から汗が噴き出す。
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