あなたと出会ってしまった日

４、また好きになってもいいですか？

なぜ、そう思うんだろう。

「どうでしょうかね。彼、人気だなあと思って……」

と曖昧な返答をする。

幹事君がにこにこしている。

なんだか急に恥ずかしくなってきたので、表情を隠すつもりで紅茶を飲むふりをする。

きっと私だけじゃない。

先生のとなりにいる女の子も、経理の子も、もしかしたら日吉さんだって、彼を狙っているのかもしれない。

やだなあ……。

みんな今日会ったばかりでしょ。

私のほうが、ずっと昔から先生のことを知ってるんだから。

なんて。

私、失恋したくせに、未練がましいにもほどがある。