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「彼、いい人ですよね。それなのに、どうしてお相手がいないのか不思議なんですよ。だから今日お誘いしたんです。彼の合う人がいるかもしれないと思って」
幹事君はやわらかく微笑んだ。
「はあ、そうなんですか」
この人、どうしてそんなに先生のことを考えているんだろう。
合コンに来てるのに自分のことより人の世話をするなんて。
幹事だからかしら?
でも、幹事君は正解だったね。先生とお似合いの人、いたよ。
日吉さんは美人だし、頭もいいし、気品もある。
きっと、先生と並んだら素敵なカップルに見えると思う。
ふたりが楽しげに会話をする様子は遠目で見ても微笑ましい。
だけど私の心は複雑で、たとえ彼らがうまくいっても、きっと祝福なんてできないだろう。
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