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「光歩!!竜臥!!」
「大丈夫ですか!?」
デュエマが終わると同時に愛璃と菫が竜臥達に駆け寄る。
竜臥は問題なさそうに手を振るが、光歩は座り込んでしまいかなり辛そうだった。
「俺は問題ない。この程度の痛みならなれている」
「すげーな………りゅーちんは………私はちょっとキツい………」
「竜臥はいいとして光歩は少し辛そうね。幸い敵もいなくなったし、少し休む?」
敵が誰もいなくなった無人の部屋を見て、愛璃が提案する。
強魔と雅人は意識を失っており、身体にもかなりの怪我があり、意識を取り戻してもすぐに襲ってくることはないだろうというところからの判断だった。
しかし、愛璃がそう口にした瞬間、光歩がぴくっと何かに反応した。
そして緩んでいた顔を引き締め、真剣な表情をつくった。
「ん………いや………この部屋………まだ誰かいる」
「えっ!?」
「なに?」
愛璃と竜臥が辺りを見渡すがどこにも敵の姿は見えない。
しかし、光歩、そして菫は真剣な表情を崩さなかった。
「確かに姿は見えないけど………やっぱり何かいる感じがする」
「私もなんか変な感じがしてたけど、光歩ちゃんも感じてるなら気のせいということはなさそうね」
「菫も感じてるわけ?」
「うん………少し待ってて」
そういって菫が目を閉じる。
「………………………!!そこっ!!」
「えっ!?」
「わわっ!?」
しばらく集中して周囲の気配を探っていた菫だが、急に目を開くと太ももに着けていたホルスターから2丁のエアガンを抜いて愛璃と光歩の後方を狙い引き金を引いた。
突然のことに勢いよく愛璃と光歩が伏せ、菫に文句を言おうとしたが………
「くっ………!!」
「あいたっ!!」
『っ!?』
菫が放った弾丸は確かに誰かに当たっていた。
そして何もなかった場所から急に2人の人間が現れた。
「くっ………やってくれるじゃないか」
「光学迷彩を使ってるのに発見されるとはな。ホントどうなってんのよ、おたくら」
「っ!!」
姿を現した敵に愛璃の表情が強張る。
「霜月………颯………」
霜月と颯。
過去に愛璃を襲った相手だった。
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