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「ふぅ~終わったわね」
「あ、案外あっさりと勝ったなーめぐたん」
「私もちょっと拍子抜けした感じだけどね。まぁ、今は体力に余裕があった方がいいからちょうど良かったわ」
そういってぐいっと伸びをする愛璃を呆れた目で見る竜臥と光歩。
そんな2人の視線を気にした様子も見せず、隣で浮かない顔をしている菫に声をかけた。
「で、アンタはなんでそんなに浮かない顔をしてるわけ?」
「いや………ね、当たり前だけど、私達が戦っている人達にもそれぞれの生活があるのよねって思っただけ」
「………アンタね」
「わかってる。だからといってあの人達がやったことが許せる訳じゃないもん。だから、ちょっと思っちゃっただけ」
そういって深呼吸しながら目を閉じる菫。
そして目を開けるともういつもの菫に戻っていた。
その様子を見て大丈夫そうだと愛璃もホッと息を吐く。
「さてと、それじゃあどうしよう―――」
「―――こ……ちだ」
「―――かと思ったけど、どうやら選択の余地はなさそうね」
これからの行動を話し合おうかと思った愛璃だが、入口の扉から聴こえてくる声に顔をしかめた。
どうやら思ったことは全員同じらしく皆一様に顔をしかめている。
「さっきまで向こうには誰もいなかったハズだよな?」
「隠し扉でもあったんですかね?」
「あーそれはありそうだなー」
「問題は戦いなんだけど、光歩はもういけそう?」
「んーもう大丈夫そうかなー」
「まぁ、無理はするんじゃないわよ?」
「無論ー困ったらりゅーちんに助けてもらうー」
「おう、任せとけ」
そうこうしているうちにどんどん近づいてくる足音が多くなってくる。
愛璃達は顔を見合わせると笑顔で頷きあった。
「さあ、もう一暴れしてやるか!!」
「おー」
「やりましょう!!」
「面倒だけど、蹴散らしてあげるわ!!」
こうして、愛璃達の第2ラウンドがはじまった。
―――――
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