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第一話 レディへの道のり~許婚~
19世紀イギリス、ヴィクトリア王朝の時代。男性優位の社会。女性には厳しい貞淑さを求められていた時代でございます。夫が妻以外の女性を囲う事など、よくあるお話でございました。
特に貴族の間では、お金も地位も男には愛人も囲える、と一種のステータスのようになっていた部分も否めません。
但し、今ほど医学は発達していませんでしたから、避妊は失敗してしまうケースは少なくなかったようです。その為、主人は立場を利用してメイドに手をつける、と言う事はよくありました。そのメイドが妊娠してしまったら解雇。珍しいお話ではございませんでした。
今となっては性に厳しいイメージがある時代でございましょうが、それは建前上の姿でございます。
実際には娼婦は沢山おりましたし、ポルノ本も隠語を使って購入されたり、と性に対してかなり奔放でございました。但し、表向きは禁じられていましたから、影でひっそり横行していた、という感じでしょうか。
さて、貴族階級のお話をしましょう。何故ならこのお話の主人公はある伯爵令嬢様だからでこざいます。
レディが結婚するには、身も心も無垢である事が条件でございます。16歳の誕生日を迎える迄お屋敷の中で家庭教師をつけられ、ダンス、ピアノ、刺繍、マナー等徹底したレディ教育が叩きこまれます。
厳しいご家庭ですと、修道院に行かせて全く世俗を絶たせる場合もございました。
それとは反対に、男子は13歳になると寄宿学校で社会を学びます。
結婚年齢は男性は意外と遅めで27~30歳、女性は大体18~20歳前後。歳の差婚も珍しくありませんでしたね。
父親が伯爵以上の爵位を持つレディは16歳になりますと、宮中で女王陛下に謁見した後についに華やかなる社交界へデビューなされます。
そこで結婚相手を見つけたり、様々な友好関係を築いていったのですね。ちなみに、
女性の結婚可能年齢は13歳と定められていました。しかし、当時の平均初潮年齢は14~16歳ですから、好みはあれど……。まぁ、ロリータコンプレックスとは国籍・時代を問わず男性の永遠の憧れ、なのでしょうかねぇ。
さて、この物語のヒロインを紹介致しましょう。
レティシア・グレイ。16歳。それはそれは大変にお美しい伯爵令嬢でございます。
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