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亜麻色の髪の巻き毛をハーフアップになさり淡いブルーのベルベッドのリボンを結ばれています。肩の下まで伸ばされたその髪は艶やかで、まるで繊細な絹糸のようにお美しい。
透き通るような白い肌はみずみずしく、ブルーを基調にしたドレスが、お嬢様様の小柄でほっそりしたお体とそのお肌の美しさを更に際立たせます。亜麻色の上品な眉、優雅で品の良い鼻。まるでさくらんぼのような唇。面長の輪郭に目鼻立ちのくっきりした、それはそれは大層お美しいお方でございます。
亜麻色の長いまつ毛に囲まれた大きな瞳は、エーゲ海を思わせる神秘的な深いブルー。
とても印象的でございます。
これだけお美しい方ですから、お名前も生涯に渡り「Letizia 《レティシア》(喜び)」で満たされるよう名付けられました。
奥様も旦那様もとても大切に大切に育んでいかれました。一人娘というのもあるでしょう。目に入れても痛くない程の溺愛ぶりでございました。その為、お嬢様が社交界デビューを果たした暁に家柄同士で決めた許婚と結婚する段取りを、念入りにされていました。万が一伴侶に先立たれても、娘と、生まれるであろう子供たちが生涯困らないような財産。そして家柄。教養、知性、評判、容姿、そして人柄。厳選に厳選を重ねていかれました。
そうした末に、お二人のお眼鏡に叶ったお相手はスペンサー伯爵の長男、デイビッド様でございます。デイビッド様は「愛されるもの」その名の通りのお方で、人を惹きつける魅力に富んでらっしゃいました。
軽やかに舞う鳶色の髪は短めにカットされ、やや日焼けした艶やかなお肌は、背の高く引き締まったデイビッド様の体型によく似合ってらっしゃいます。非常に端麗な甘いお顔立ちでありますが、その瞳は思慮深く知性的に輝くミステリアスなグレーで、単なる見たくれが良いだけの男ではない事をよく表しておりました。
お二人の出会いは、お嬢様が3歳、デイビッド様が7歳の時でございます。デイビッド様は出会った瞬間に、お嬢様の愛らしさに夢中になられました。
可愛らしいカップルの誕生でございます。
それからお二人は、少しづつお互いを知っていかれ、愛を育まれていかれました。
お嬢様はつい先日晴れて社交界にデビューなさり、デイビット様とのご結婚をあと3カ月先に控えてらっしゃいます。
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