第1章 氷雨での出会い

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あの日は大雨だった。凍りつくような寒さの中、横から殴り雨、風も吹いて傘も壊れて最悪の日だった。 というより、私自身のあの頃は最悪なやつだったんだと思う。 うん、そう思う。 でもその日が私を変えてくれた。最悪な私から抜け出す大きな第1歩だったんじゃないかと思う。 とにかく自分の中で想い出に残る日だ。 (………さむっ。。) なんでバイト終わりにこんな物騒なところを通らなきゃいけないのよ! でもこれも自分が決めた道だもんなあ、両親なんかに力借りたくない、、 やっとひとりで自立して生活できるんだもの。 「カタカタ。。ガサッ」(!??) ……あいつだ。誰なのかは分かってる。 こっちに住み始めてから2ヶ月経とうとしている。 あいつは私がこっちに住み始めてからすぐにこんな風に私の後ろをついてくるようになった。 それだけではない。私の家まで特定され、洗濯物は盗まれ、郵便ポストにはあいつからの手紙が毎日入っている。 手紙は全く開いてない。警察には行ったがうまいこと取り合ってもらえない。相談できる人も住んでない。両親にはもちろん言えない。帰ってこいって絶対言われるから。
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