昔の人・今の人

21/161
前へ
 /161ページ
次へ
 あの日、 千春の母文子は早めの夕食の準備に取り掛かっていた。 食器を洗って暫くすると裏山の方から獣の叫び声が聞こえた。  文子は不思議だった。 今の時代、 こんな田舎でも野犬は少なくなった。 しかも今のは遠吠えのような、 村中に響きそうな大きな声だった。  不安が文子の頭をよぎった。 「千春は裏山で畑仕事をしている・・・」  慌てて外に飛び出した。  近所の住人も遠吠えを聞いて外に出ていた。  娘が畑にいる事を告げ急いで畑に向かった。 しかし、 千春の姿はなかった。 そこら中を探し回り千春の名前を呼んだ。

最初のコメントを投稿しよう!

94人が本棚に入れています
本棚に追加
広告非表示!エブリスタEXはこちら>>