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さて、今回の事件だが。
次の日、木葉刑事と里谷刑事は、捜査会議に主席。 木葉刑事の読みには触れる事も少なく、血液の検査は被害者のものと一致となり。 所轄署内の防犯カメラの映像に映る者は、外部からの第三者が来た事と成ったが…。
朝、会議が始まる前に、木葉刑事の不安を聴いていた里谷刑事が。
「管理官、一つ宜しいですか?」
と。
ちょっと怪訝な顔をする郷田管理官は、相手が女性の里谷刑事だから。
「里谷刑事、何か?」
と、すんなり指名する。
「はい、この防犯映像からしますと、外部から来た第三者ですが。 外から見え難い警察署の側面へ、辺りは気にしながらも真っ直ぐに入って行きます。 これは下見をしたか。 若しくは、署内の誰かから情報を貰ったか・・、疑わしいと思わざるえない様な気がしますが。 飲み会や友人との会話で、署内の様子を聴かれたりして話した人は居ないんでしょうか」
すると、飯田刑事も。
「今の事は、朝に木葉刑事が心配した事ですが。 自分も、それは気に成ります。 また、自転車は特注の物品ですから、搬入の業者にも話を聴くべきかと思います。 悪意は無く、自然な流れで言った事でも、犯人に繋がる可能性は全て追わせて下さい」
二人の話で采配に困った郷田管理官は、経験豊かな小山内理事官を見る。
だが、確かに盗まれたらしき自転車は、専用の鍵二つを外されていた。 軽い気持ちで欲したぐらいでは、この自転車は盗めない。
小考した小山内理事官は、聞き取りは必要かも知れないと言った。
列席しているこの警察署の署長は、困惑した顔をする。 これは出入りの業者も含む為、所轄署の職員には嫌な事だ。
だが、血痕のDNAが被害者と一致して、使った警邏が被害者宅を訪れて無い以上。 調べない訳には行かない。
郷田管理官は、更に突っ込んだ調べをする為に、その捜査もすると決めた。
その後、会議の後で。
「木葉」
廊下にて、ベテランの葛城刑事に呼び止められた。
「葛城さん、ご迷惑を掛けます」
呆れと疲労感を顔に出した葛城刑事の向こうには、此方を睨む所轄署の刑事等が居る。 葛城刑事は、そんな同じ署内の仲間を気にしながら。
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