第一章・続2

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ざっくりと経過状況を言った進藤鑑識員は、其処から。 「タダし、チョイトした問題は~~~」 と、野次馬の方に視線を移す。 一緒に、木葉刑事達が視線を移すと…。 集まった野次馬の中に或る人物を先に見つけた木葉刑事が。 「あら、ありゃ迅だ」 すると、飯田刑事も続いて。 「何で、組対室の彼が、この現場に?」 二人の隣に立つ里谷刑事が。 「彼、3月から二課に移動したわよ」 「何?」 移動の事を知らなかった飯田刑事。 「暴力団の資金源を断つ為に、振り込め詐欺捜査の専門担当班へ移動したみたい。 組織対策のほうから移動した二課のその専門を担当する係長、組対室の長に土下座して貰ったみたいよ~あのエースを」 「まぁ、頭の良い迅は、確かに二課向きだわね~」 オネェみたいな返しをする木葉刑事は、迅の方に向かって行く。 木葉刑事の在籍した大学の後輩で、司法試験と公務員Ⅰ種試験を突破し、警視庁に来た〔居間部 迅〕《いまべ じん》は、180センチを超える立派な体格を動かし。 「先輩、ご苦労様です」 と、木葉刑事が近付くなり、頭を下げて来る彼。 「迅、二課に移動したんだって?」 スポーツ刈りが少し伸びた様な頭をしながら、顔は端正な‘居間部 迅’だが。 「はい。 ですが先輩、今回は此方の不手際です」 と、非常に無念そうな表情で云うのだ。 木葉刑事達三人は、被害者の遺体が在った家の方を見てから。 また、迅へ顔を戻す。 木葉刑事が、家を指差すと。 「迅、それはこの事件(ヤマ)の事か?」 頷いた迅は、非常にバツが悪そうにして居て。 此方へと来ない、後方に居る先輩刑事 を一瞥する。 “何かある” 木葉刑事達は直ぐにそう思い、彼を黄色テープの内側に入れて話を聴くことにする。
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