第一章・続2

1/31
前へ
/31ページ
次へ

第一章・続2

刑事に復帰した木葉刑事。 突発的に発生した遠矢の逮捕、世田谷で起こった傷害致死事件と早期に二つも事件を解決した篠田班。 木葉刑事は、事件の合間に特例措置で休みを挟んだが。 他の刑事達は、事件を待って引き続き出勤していた。 そして、ゴールデンウィークも残り3日で終わると云う日。  休みで浮かれて居た若者達が遊ぶ金欲しさに、ひったくり、恐喝、強盗を続けて働いた上、逃げる際に店員やら路上の人を何人も怪我させたと云う。 同一の集団による犯行の上、その怪我のさせ方も悪質と判断され、木田一課長の判断から帳場が立ち。 その捜査に割り当てられた篠田班だから、捜査の末に彼らを追うことになった。 まぁ、犯行は若者の暴挙で、計画性などあまりない遣り方。 防犯カメラの映像にも、目撃証言にも、その人物像が浮かびすぐに解る。 彼らが在籍する学校も割れて、親に確認して名前が割れた。 都内の彼らが屯する場所に向かえば、警察の手が回ったと慌てる若者らは散り散りに逃げ回る。 それを追いかけて捕まえるまでの労力が大変で、真夜中までかかり漸く捕まえたが。 取り調べしてみれば、泣くわ、喚くわ、キレるわと、大人を困らせる為だけに事件を起こしたかの様。 その中でも、一番遠くまで逃げた少年を捕まえた里谷刑事は、取り調べで逆ギレする相手に手を上げかけた。 取り調べを終えたあと、 「少年法なんか破棄しろっ! こんな悪質でワガママなガキっ、実刑で構わんっ!!」 と、篠田班長を相手にブチ切れた。 そして、それから三日後。 世間でも休み明けとなるこの日に、木葉刑事と市村刑事と如月刑事は警視庁の班の部屋に来て居た。 曾祖母にハーフが居たらしく、市村刑事は碧眼で緩やかな癖っ毛だ。 顔の整い方が良いのは、その所為かも知れない。 カラフルな格子柄のネクタイをして、第四強行班の7係を束ねる尚形係長に朝っぱら捕まり、お堅い上司よりイヤミを言われて居たらしいが…。 女性の元より直接出勤して来たらしい彼は、随分と眠そうなご様子。 そんな彼だが、コーヒーを飲む木葉刑事の脇に来ると。 「なぁ、木葉」 「はい?」 「あの遠矢って奴を調べてる捜査本部のヤツ等、何であんなにピリピリしてんだ? お前への殺人未遂も、女子大生への殺人も、まだ固まりきらないのか?」
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加