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三原を見送った旗本を黒い空気が包んだ。淀んだ街の空気を運ぶビル風と共に後ろから殺気にも似た空気が流れる。
旗本はゆっくりと振り返った。
二人の女性は対峙した。
ビル風が強烈に吹き抜けると二人の女性の髪が靡いている。
「…貴女は…誰ですか?」
「…はじめまして…"柳 玲香(ヤナギ レイカ)"さん。
いいえ、三原…玲香さん。
私は旗本光。三原部長代理の部下で、飯沢琴夜ちゃんの上司です。」
旗本はそう言って笑って見せた。
実に満足そうに、欲しいものを全て手にした女性の笑顔を見せつけた。
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