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「・・・ゆきちゃんは、1年の頃から成績は学年でトップクラスじゃん。結局はこいつに合わせてこの高校に来たんだろ?」
幸也の言葉に琴音が驚いて目を見開いたのが分かった。
そこに気付かれたくなかった・・・。だけど、琴音のことを思ってくれる人だから、きちんと話そうと思った。
「うん。琴音と一緒にいるのが私の日常だったから・・・それが永遠に続くことは無いのは知っていたけど、少しでも長く続けたくて。私、本当に琴音が好きなんだ」
そう言うと涙が溢れそうだったけど、なんとかこらえて笑顔を作った。
「だけどね、好きだからちゃんと幸せになってほしい。今まで彼氏より私を優先してくれたのも知っているし、琴音の方も私との関係を大切にしてくれているのも知っているの。だけど、彼氏との関係もちゃんと向き合って大切にして欲しいの」
私が琴音の邪魔をしたくはない。そう思って琴音の顔を見ると、気の強い琴音が珍しく目を潤ませていた。
「俺、俺も、ゆきちゃんをちゃんと受け入れるよ。そのまんまのゆきちゃんを」
幸也が一歩前に出て、熱く語りかけて来た。
私を苦手なくせに、琴音の友達というだけでそこまで言ってくれるなんて、琴音が愛されていると実感できて私は嬉しいと思えた。同時に、親友の幸せを心から願えた自分も嬉しかった。
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