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「琴音、いい人じゃん。私に遠慮しないで。琴音だって好きなんでしょ?高橋君のこと」
私は温かい気持ちになって琴音の瞳を見つめた。
「「はあっ!?」」
琴音と幸也の大声が重なった。
しかも“はあっ?”って・・・?どういう意味?
私は目を丸くして2人を見ると、2人とも驚いてかなり慌てて狼狽していた。
「俺・・・今の、かなり勇気のいった・・・告白だったんだけど」
「告白?」
私が目を見開いて幸也を見ると、幸也はまたいつもの気まずそうな表情を浮かべながらも、小さく深呼吸をした。
「だから・・・ゆきちゃんが好きだから、そのまんまのゆきちゃんを受け入れたいんだ。えっと・・・俺と付き合ってほしい」
私は思わず琴音を見た。目に涙を溜めていた琴音はいきなり「ごめんなさい!」と、泣き崩れるように私にしがみついてきた。
「私もゆきが本当に大好きで・・・ゆきとの日常を壊したくなかったの」
そう言って琴音は子どものように泣きじゃくった。
「だから、高橋がゆきを好きなのはすぐに勘付いたけど、極力ゆきに近づかせないように邪魔していたの。だけど、高橋って私と同じくらいゆきのこときちんと見ているって分かって来て・・・でも、ゆきに彼氏が出来たらって思ったら何かが壊れる気がして」
ど、どういうことだろう・・・?
私は突然すぎて状況が整理できていなかった。
「つまり、琴音は高橋君を好きなわけじゃない・・・?」
「なんで私が高橋を好きなのよ!」
琴音が涙を拭きながら、怒ったような笑顔を見せた。
「・・・高橋君は・・・琴音を好きなわけでも、私のことが苦手なわけでもない・・・?」
「えっ?そんな風に思われていたの?俺」
幸也はショックを隠せないという表情だった。
ってことは・・・さっきの告白は・・・本当なの?
私は急に恥ずかしくなって赤面して下を向いた。
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