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ここの公園を来た理由は桜が綺麗だから。告白場所としてはもってこいだ。
俺は一度ここで霞に告白していると言うのもある。まぁ、幼稚園の頃の話だが……
「冬馬とはもう何年一緒にいるん…」
霞が公園のベンチに座りながら話す。
だが俺は霞の話を遮る。
「あのさ!」
つい大きな声を出してしまったせいか声が裏返ってしまった。
「どうかしたの?」
俺は一度深呼吸をして霞の方を向く。
霞は不思議そうな顔をしてこちらを見ている。
「あ、あのさ俺お前の事が好きだ!」
直球過ぎるその言葉に霞は驚いていた。
「前にもさ、ここで告白したの覚えてる?幼稚園の頃ぐらいかな?」
俺は頷いた。
「でもあの頃と違う事があるんだ。何だかわかる?」
「わからない」
「それはね……冬馬がオタクってこと。私オタク嫌いだから。じゃーね」
そう俺こと結城 冬馬はオタクである。
そして霞はそんなオタクの俺が嫌いだった。だが俺は霞に嫌われていることを知らなかった。
甘い幻想が壊れていった。一粒の涙が流れた。そして俺は決意した。
3次元はクズだからもう俺は2次元しか愛さない!!
こうして俺の中学校生活はバッドエンドで終わった。俺の初恋は儚く散った。この桜のように…
そして俺は俺の青春も終わったと思った。だが俺の青春は始まったばっかりだったことをこの頃の俺は考えてすらいなかった。
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