横浜港の廃倉庫 午後四時

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 やがて四方から銃声が響くようになり、着弾の音が徐々に近づいてきた。  しまった! 追い詰めたつもりが逆に囲まれてしまったか……  二人は互いの死角をかばい合い、銃を構えながら、背中を寄せる。  普段はいがみ合っているが、こういう時の息はピッタリだ。  有星の死角に入った男を、すかさず愛用のリボルバーで歌野が撃ち抜く。 「油断しすぎだよ、ワンコちゃん!」 「ちょっとは黙ってろ!」  メガネの奥を光らせながら、二階にいた敵を狙う有星。  男が胸元を押さえながら、真っ逆さまに落ちてくる。 「敵が多すぎるぜ」  徐々に息が荒くなる有星。 「はあ、はあ……オレはmina様のライブにもう一度行くまでは死なないって決めたのに」  歌野の額から汗が滲む 「お前らしい、下らない理由だな……」 「うるせえな……有星は、生きてる理由とかあんのかよ?」 「俺は……大切なものを守る……ただそれだけだ……」 「なんだよ、カッコつけやがって」  歌野が悪態をついたその時だった!
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