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その刹那……
鋭い銃声と共に、二人を囲んでいた犯人の一人が、どうっと倒れた。
「有星さん、歌野くん、助けに来たわよ!」
白いパンツスーツに美しい姿を躍らせながら、続けざまに銃を放つ、ハマのワイルドキャット!
「綾香さんっ!!」
その機を逃さず歌野と有星も最後の力を振り絞り、犯人グループの囲みを突破する。
パトカーのサイレンの音が徐々に近づいてきた。
「やった!やったぜ!」
「お手柄ね、有星さん、歌野くん」
綾香がそう言ってニヤリと笑った。
「綾香さん、来るの遅いっすよ。ほんとギリギリなんだから……」
「ごめん、でもナイスタイミングでしょ」
ペロリと舌を出しておどける、綾香。
「綾香……よく来てくれた……」
有星がヨロヨロとその場に倒れ込こんだ。
血色が悪い。撃たれた腕からは鮮血が滲み出して、自慢の紺色のスーツを真っ赤に染めている。
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