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「魔王が封印されているのは、火山の下の地下空洞。入り口はあの洞窟です」ななが、山の麓の洞窟を指し示します。
「中には魔族が待ち構えていますね。先陣は黒猫、ちひろ、凜伽・・・」
「あ、あたい、先行っくね~」
ジェネラルの言葉の途中で、小梅が先に駆け出してしまいました。
「ちょっとちょっと、小梅ちゃん・・・」
黒猫が、あわてて後を追います。
小梅は、洞窟の手前で背中のクレイモアをすらりと抜き放ちます。その瞬間、空気が一変しました。小梅の周りだけ、吹雪です。
「どけどけー!! 邪魔する奴あぶった切るぞー!」
小梅は、クレイモアと一緒に滅茶苦茶に回転して魔族をなぎ払いながら、洞窟の中を突き進んで行きます。
「オラオラオラオラー。ひゃーはっはっはっ・・・」
黒猫は唖然として隣の凜伽に問いかけます。
「凜伽さん・・・、ツンドラ最強の戦士? 字が違うんじゃ・・・?
あれじゃ、ツンドラ最狂の戦士・・・」
「ほ、ほら。よくいるじゃないですか。ハンドル握ると性格が変わるって。あれですよ。たぶん・・・」
ちひろが、小梅の消えた洞窟の入り口を見つめたまま呟きます。
「凜伽ちゃん・・・、今でも、対戦したい?」
「ちょ、ちょっと、遠慮したいかも・・・」
メイフェア隊は、魔族を撃退しつつ、大空洞にたどり着きました。空洞の四方に四つの台座があり、その三つには、青、緑、透明なクリスタルが乗っていて、その回りを守るように魔族が取り囲んでいます。最後の台座のそばには、サタンが赤いクリスタルを持って立っています。
「ふっふっふっ、一足遅かったな、メイフェア隊。今、最後の鍵を開ける・・・。
封印解除!」
サタンは、台座の上に赤いクリスタルを突き立てるのでした。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴーーーーーー。
地響きと共に、中央の地面が裂け、黒い霧が立ち上ります。ジェネラルの顔が蒼ざめます。
「遅かった・・・」
「いいえ」
ななが、賢者の杖で地面を突きます。
「魔王はすぐには実体化しません。魔族をすべて排除し、再び魔王を封印します。向こう三百年、二度と復活しようなどと思わないくらい、懲らしめてやりましょう」
「「「おおーーーーーーー」」」
メイフェア隊は、四つの台座目指して散って行きます。
「バロン! 貴様だけは断じて許さん!!」
愛姫がサタンの前に飛び出し、灼熱の杖に呪文を唱えます。
「ふん、相も変わらず突っ込む事しか知らぬ愚か者め・・・」
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