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サタンの手の平から剣がせり出し、愛姫を突き刺そうとします。その瞬間、両側から魔族が剣と槍でサタンの両腕を串刺しにしました。
「なに!?」
サタンを刺した魔族が仮面をかなぐり捨てます。
「ちひろ! あみ! 卑怯者め・・・」
「あなたが、いつも使う手ではありませんか」
サタンの体が、テレポートの青白い光に包まれて薄れて行きます。ですが、またすぐに実体化するのでした。
愛姫の後ろにいたデビルが、仮面を脱ぎ捨てます。メイです。
「悪いけど、結界を張らせてもらったわ。もうどこへも逃げられないわよ」
「ホーリーレイピア、聖なる剣よ。邪悪なる者を打ち滅ぼせ」
ちひろがサタンの腕からホーリーレイピアを抜き取り、心臓めがけて深々と突き刺します。
サタンの体は粉々に砕け、風に散って行くのでした。
「さよなら、バロン。あなたのおかげで一つ学んだわ。チームワークの大切さを・・・」
愛姫が振り向きます。
「ありがとう、ちひろ、あみ。メイちゃん、もうデビルの変装、解いていいわよ」
「わ、笑えない冗談ね、愛姫ちゃん。地の魔法と火の魔法、どっちが上か試してみる?」
「姉さま、冗談はいいから、早く地のアーティファクトの台座へ・・・」
緑のクリスタル、地のアーティファクトの台座のそばには、デモンがいました。
「野郎ども、返り討ちにしてこましたれ」
ですが、返り討ちにあったのは、魔族の手下たちでした。
シルバーランス、ホーリーレイピア、サンダースピアがデモンの喉元に突き立てられます。
「ええい、またしても引き分けか」
「戯言は、もう通用しませんよ」ジェネラルの声は、異様に静かです。「これで最後です。観念なさい」
「わー、ごめんなさいごめんなさい。もうしません」デモンは、土下座して頭の上で両手を合わせます。「もう悪い事はいたしません。どうか命だけはご容赦を・・・」肩がぶるぶる震えています。
ジェネラルはため息をついてシルバーランスを下ろします。
「行きなさい。・・・もう二度と、私たちの前に現れないで」
「はっ、はいー。ありがとうごぜえます」デモンはパッと立ち上がって駆け出します。そして、少し離れた所で立ち止まり、振り返ります。「やーい、バーカ、バーカ。まーぬーけー。おまえのかーちゃんでーべそ」
メイが、大地の杖を握ってキッと睨みます。
「あ、うそうそ。もー言いません。もう何も申しません」
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