第1章

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 デモンは、あたふたと洞窟の中へ消えて行きました。  透明なクリスタル、風のアーティファクトの周りの魔族を、まおとアリスとなつきが倒していきます。最後に残ったのは、ネクロマンサーです。なつきが、デビルアックスを握り直して叫びます。 「ネクロマンサー! 人の身でありながら、なぜ魔族に加担する?」 「お前こそ、人に寝返った裏切り者が」 「なに」  なつきが、デビルアックスを振り上げます 「俺を殺せはせんぞ。俺は永遠の命を手に入れた。どんな深手を負おうと、傷はいつか癒える」 「ならばっ、永遠に苦しむがいい!」  なつきは、ネクロマンサーの上にデビルアックスを振り下ろすのでした。  アリスが、小さく呟きます。 「誰をも愛さず、誰にも愛されない永遠に、どれほどの意味があると言うの・・・」  青いクリスタル、水のアーティファクトの台座を遠くに眺めて、きみぃが躊躇しています。 「ほらほら、水の魔法使い、早くアーティファクトのそばへ行かないと」 「だって・・・、小梅ちゃんが剣を振り回してる間は、怖くて近づけないよぅ。ケイちゃん、代わりに行ってよ」 「私だって怖いわよっ」 「オラオラオラオラー。とっとと消えちまいな! イーヒッヒッヒッ」  小梅はついに、水のアーティファクトの周りの魔族を、すべてやっつけてしまいました。最後にクレイモアをクルクルと回して、背中の鞘にカチンと収めます。その瞬間、吹雪がやみ、春の陽だまりになりました。 「あははー、久しぶりにいい汗かいた。・・・あれ? どしたん? みんな」 「あは、あは、あは・・・。なんでもないですぅ・・・」  きみぃとケイとゆうは、そろりそろりと水のアーティファクトに近づくのでした。  メイフェア隊が魔族と戦っている間に、黒い霧は二本の捩れた角の生えた、巨大な魔王の形に収束していました。頭上から、この世の物とも思えぬ声が響きます。 「余を暗黒の地底に閉じ込めた憎き人間の末裔よ。復讐の時は来た。思い知るがいい」  魔王の両目がキラりと光り、メイフェア隊の上に無数の暗黒の矢が降り注ぎます。 「フォース・ヒール」ゆうが、全員を回復させる魔法を唱え、 「プロテクション」ケイが、全員の防御力をアップさせます。 「うおおおおおおおー」  黒猫、ちひろ、まお、なつきが突進して、魔王を攻撃します。  カキーン。カキーン。カキーン。カキーン。  まるっきり歯が立ちません。
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