第1章

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「オクスタン・ランチャー、シュ-トォ!」 「ふん」  凜伽の魔法弾も、簡単に弾き返されてしまいます。 「愚か者め」  再び魔王の両目が光り、暗黒の矢が降り注ぎます。  ななが叫びます。 「個別に戦ってもだめ。アーティファクトの力を解放して、魔王を封印します。戦士は四人の魔法使いを守って」  戦士たちが、それぞれの武器で降り注ぐ暗黒の矢を弾き返します。 左右宇は愛姫の前に立ち、両手を広げ、身を挺して矢を防ぐのでした。 「左右宇ちゃん・・・!」 「へへ、こんなへなちょろ。私の装甲は貫けませんよ。・・・でも、またメイド服破れちゃった・・・」  ななが、賢者の杖を掲げ、厳かに呪文を唱えます。 「アーティファクトに封じられし、火の精霊王、地の精霊王、水の精霊王、風の精霊王よ、今こそその力を解放し・・・」 「ぬうう・・・」  魔王の目から、ななに向かって暗黒の光線が放たれます。 「オラオラオラーーーーーー」  小梅がクレイモアをすらりと抜き、光線を弾き返します。 「ぬう・・・」  まおが翼を広げ、飛び立ちます。そして、魔王の顔の周りを飛び回るのでした。 「うるさい蝿めが・・・」  魔王は手で払いのけようとしますが、まおは、指の間をするりするりとすり抜けて飛び回ります。 「まま!」  ももも翼を広げて飛び上がり、二人で魔王の顔の周りを飛び回るのでした。 「・・・・・さあ、解き放て!」  魔王が、まおとももに気を取られている間に、ななが長い呪文を唱え終えました。四つのアーティファクトが光り輝き、愛姫が赤いオーラに、メイが緑のオーラに、きみぃが青いオーラに包まれていきます。  ジェネラルの顔に、困惑の色が広がります。 「アリスが、遅れている! やはり、生まれながらの魔法使いのようにはいかないか・・・」  まおが、魔王の頭よりさらに高く舞い上がります。 「ラーラララー、ラー。♪♪♪♪♪♪♪♪」  愛姫とメイときみぃのオーラが、さらに輝きを増します。ですが、アリスはまだアーティファクトと同化出来ないのでした。風のアーティファクトの前で精神を統一するアリスの頬を、汗が伝います。  ケイがアリスの後ろに歩み寄り、首から紅曜石のペンダントを外し、そっとアリスの首に掛けます。  風のアーティファクトが輝き、アリスが透明なオーラに包まれます。 「風の精霊王、我に力を・・・」 「火の精霊王、我に力を・・・」 「地の精霊王、我に力を・・・」
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