第1章

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 火のアーティファクトが赤い光の粉になって、地底のマグマに吸い込まれて行きます。  メイが、地のアーティファクトを高く掲げます。 「母なる大地の精霊よ。新たなる命を育み、永久に慈しみを与えたまえ」  地のアーティファクトが緑の光の粉になって、大地に広がります。 「これでいいんだわ。自然界に溶け込んだあまたの精霊たちが、きっとこの星を守ってくれる・・・」 『メイ・・・』  メイの隣で、テレポートの青白い光が輝きだします。その光は、だんだん人の形になっていくのでした。 「父様!」 「メイ、立派になったの…」 「父様―ぁ」ちひろがメイフェア国王に駆け寄って腕にすがりつきます。「父様、父様、よくぞ御無事で・・・。お会いしとうございました・・・」  こらえていた思いが一気にあふれ、とめどなく涙が流れ出ます。 「ちひろ・・・、つらい思いをさせたの。よくぞ今まで耐えたな・・・」 「父様・・・、父様・・・」 「父様・・・、父様・・・」  ちひろとメイが、両側から国王にすがって泣いています。  国王を見つめるジェネラルは、ふと、遠い視線に気付くのでした。 「陛下、その目は・・・?」 「魔族との戦いで重傷を負って、回復に今まで掛かった。だが、とうとう視力だけは戻らなんだ・・・」 「陛下・・・。おいたわしゅうございます。わたくしが、一生、陛下の目になりとうございます」 「おお、ありがとう、マネージャー・・・」  洞窟から地上へ出たメイフェア隊は、驚きに包まれます。あたり一面、色とりどりの薔薇の花が咲き誇っています。 「きっと、精霊たちの贈り物ね」 「これが、本当のローズウッド島の姿なんだわ」  薔薇の花園に立つメイフェア隊の上に、アントステラが降下して来ます。  さあ、帰ろう。あの懐かしい故郷へ。  胸を張って。 MAYFAIR FANTASY   完
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