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左右宇が一歩前へ出て、両手を胸の前でクロスして肩を叩きます。
「スイッチ・オン。チェーンジ!」
シュルルルルルルルルルルルル。
左右宇は戦闘用オートマータに変身して、ネクロマンサーに突進するのでした。
「記憶を失っていても、やはりアーティファクトの守護者・・・」
ジェネラルの言葉に、ななが答えます。
「基本プログラムは、深層意識の奥底にインプットされてるんでしょうね」
南から、別の一群が来ます。率いているのは、サタンです。
「こんな所にのこのこ現れおって。飛んで火にいる夏の虫とはこのことだ」
「バロン! しょうこりもなく。今までの借り、利子をつけて返してやる」
愛姫が魔法の射程距離まで前進して、目を閉じ詠唱を開始します。
「もらったぁ!」
サタンが、愛姫めがけて透明な光を放出します。愛姫はサタンに吸い寄せられ、空中でガラス球の中に閉じ込められてしまうのでした。愛姫を捕らえたサタンは、仮面を脱ぎ捨てます。
「あれは、ネクロマンサー!」ジェネラルが叫びます。「では、こっちは?!」
左右宇の向かったネクロマンサーの両手の平から剣状の突起が伸び、背中に蝙蝠の翼が広がります。サタンです。
「心を持たぬ機械人形の分際で、この俺に挑もうなどと」
サタンは、剣で左右宇に切りかかるのでした。
「愛姫と左右宇の救出に向かって!」
魔族の手下たちも空から、地上から、一斉にメイフェア隊に襲い掛かります。メイフェア隊は防戦に追われ、なかなか愛姫と左右宇の元へ行けないのでした。
『黒猫ちゃん』
黒猫は、魔族と戦いながら叫びます。
「なに? うるは」
『私たちが力を合わせれば、ネクロマンサーの結界も破れるはず』
「結界は空中よ。どうやって?」
『大丈夫。飛べるわ』
ミスリルうるはソードの鍔から、白い翼が飛び出します。黒猫は、ソードを握って空へ駆け上がるのでした。
「ちっち、結界を破る。フォローをお願い」
黒猫とまおは、一目散にガラス球を目指します。ガラス球の中では、ネクロマンサーが愛姫の胸に手をかざしています。
「ウオオオオオオーーーーー」
黒猫は、ミスリルうるはソードを最上段に振りかぶって、一気にガラス球に叩きつけるのでした。
パリーーーーーン。
ガラス球は、粉々に砕け散ります。
「ふん。アーティファクトはいただいた。こいつはもう用済みだ」
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