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「なに言ってるのよ、うこん。あんたの心が泣いてるのが、私には分かるよ。あんたは誰よりも、純な心を持ってるよ」
「メイちゃん・・・。それはきっと、嬉し泣きですよ。メイちゃんにこんなに思ってもらって・・・」
ゆうが、宣言します。
「これより、心臓移植手術を行います。-ケイ、メス」
空には、まだたくさんの魔族が残っています。
「ちっち、なつき、フォーメーション・デルタで行く!」
「OK。黒猫ちゃん」
「はい、隊長」
三人は、編隊を組んで魔族の群れに突っ込んで行きます。
「姫様! 私たちは、フォーメーション・・・」
「フォーメーション? そんな打ち合わせはしてありません」
「だって、だって」と、あみは、黒猫とまおとなつきを指差します。
「あれは・・・、その場のノリでやってるだけです」
「んじゃ、私たちもその場のノリで」
「そうですねぇ・・・」ちひろは、頬に人差し指を当てて考えます。「では、あみ、フォーメーション・シータで」
ピューーーーーーーーー。
「あ、姫様、待って、待って・・・」
あみは、あわててちひろの後を追いかけるのでした。
「ようーし、ももちゃんも・・・」
ももが、ジャベリンを握り、翼を広げてふわりと浮き上がります。ジェネラルが声をかけます。
「もも、あまり遠くへ行っちゃだめよ」
きみぃが箒にまたがって胸を叩きます。
「私がついてるから大丈夫!」
「よけい心配だわ」
アリスがすかさずフォローします。
「マネージャーさん、そんな、本音をストレートに言っちゃ・・・」
「みんなひどいよ。ぶーぶー」
きみぃとももは、ふらふらと空へ飛んで行きました。沙姫が後姿を見上げて、腕組みします。
「うーん、心配だにゃ」
「さすがのきみぃちゃんも、あなたには、言われたくないと思うわよ」
「術式終了。皆さんの協力に感謝します」
二時間をかけた大手術が終わりました。空からも、魔族を撃退した仲間たちが集まって来ます。
「サタンを見ると飛び出していく、愛姫さんの性格を利用されましたね」
「悪魔のように狡猾ね・・・」
「いや、悪魔だし・・・」
ジェネラルが言います。
「もはや、一刻の猶予もありません。火のアーティファクトを手に入れたサタンは、すでに魔王封印の地へ向かっているでしょう」
「魔王が封印されてるのは、どこなんですか?」
黒猫の質問に、ななが答えます。
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