1人が本棚に入れています
本棚に追加
「私たちも戦います。が、艦ではあなたに従います。命令して下さい」
「よし。遠距離攻撃を行える者は、デッキから迎撃。近接戦闘員は白兵戦に備えよ。セイレーン以外は外へ出るな。艦のスピードに付いて来れんぞ」
メイフェア隊は、各持ち場に散って行くのでした
まおが甲板に立っていると、ゆうに付き添われて愛姫が出て来ました。
「愛姫ちゃん! もう起きていいの?」
「私のミスでアーティファクトを奪われたというのに、一人のうのうと寝てなどいられないわ」
「無理をしないで・・・」
「あなたも、まおちゃん」
魔族の群れがすぐそこまで迫っています。愛姫は灼熱の杖に呪文を唱え、まおはトライデントを握り、空へ飛び出すのでした。
艦内に、スピーカーを通して艦長の声が響きます。
「真ん中を突っ切るぞ。魔法使い隊は進路上の敵を排除してくれ」
「ファイアーブラスト!」
「ジェノサンダー!」
「ハイドロプレッシャー!」
「トルネード!」
魔法が炸裂し、進路が開きます。アントステラは、魔族の真ん中に突っ込んで行くのでした。
まおは、アントステラの後ろを飛行して、追いかけて来る魔族を撃退します。その時、下から編隊を組んだ十数機の機影が上がって来ました。トップ部隊です。遠くの海に、無敵艦隊の姿が見えます。
「まお、ここはわれらが引き受けた。先に行け」
「ありがとう」
「提督を頼んだぞ」
「はい。うらら姉さん」
(ま、まおにゃんに『姉さん』って呼んでもらっちゃった。じ~ん)
うるうるしているうららに、ぷりんが叫びます。
「なにボケーっとしてんですか、姐さん。敵が来ますよ」
「お前の『姐さん』とは違うわっ!」
「な、な、な、なに怒ってるんですよぅ?」
しばらくすると、また前方に魔族の集団が現れました。
「今度も真ん中を突っ切るぞ。魔法攻撃開始!」
左右宇とななとメイも甲板に出て来ました。ちひろが声をかけます。
「左右宇ちゃん! もうすっかり元通りね」
「ななさんとメイちゃんのおかげですよ。私もお手伝いします」
肩のスイッチを押そうとする左右宇の手を、なながつかんで止めます。
「左右宇ちゃん、もう左右非対称なキカイダーに変身しなくていいのよ。はい、腕を挙げて。肘を曲げて。ハナミクラ語で正しく発音するのよ。-ミサイル発射」
「みさいるぅ? はっしゃ?」
ジュドドドドドドド―――――――ン!!!
最初のコメントを投稿しよう!