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左右宇の肘から、ミサイルが飛び出しました。
「な、なななななななな、なにしたんですかー? ななさん」
「音声制御が正しく作動して良かったわ」
「そうじゃなくってぇ」
「だって艦長さん、その辺にある物、何でも使っていいってゆったから」
「それは工具やパーツでしょう。拡大解釈しすぎですよぅ」
「人工心臓を取り出した後の胸の収納スペースには、ガトリングガンを装備してみました」
「してみないでくださいぃ」
「膝の関節には・・・」
「ヒロシマ型、なんて言わないで下さいよ」
「・・・ ・・・ ・・・」
「なんなんですか、その沈黙はぁ。もう、ひとの体で遊ばないで下さいよぅ」
メイが、左右宇の背中をパンパンと叩きます。
「うこん、すっかり元通りになって良かったね。メデタシ、メデタシ」
アントステラは、魔族の真ん中を突き進んで行きます。まおが艦の周りの敵と戦っていると、海から6人のセイレーンが飛んで来ました。
「まおちゃん、ここは私たちに任せて。あなたは先へ行って」
「ありがとう、クララちゃん。みんな、気をつけて・・・」
まおはアントステラを追いかけます。
「さあ、シュラク隊の実力、見せてあげるわよ」
6人のセイレーンは、バトルフォークで果敢に魔族に立ち向かうのでした。
艦に戻ったまおを、黒猫たちが出迎えます。
「おつかれ、ちっち」
「ほんと、まおちゃんの顔の広さに助けられるわね」と、ケイ。
「へえ、まおちゃんて、大っきいだけじゃないんだぁ」
黒猫とケイが、顔を見合わせます。
「「きみぃちゃん・・・、意味違う」」
艦内に、ユキヲ艦長の大きな声が響きます。
「島が見えたぞ。降下する」
アントステラは、ローズウッド島目掛けて降下して行くのでした。
map3 ローズウッド島
メイフェア隊は、島に降り立ちました。ユキヲ艦長がデッキから声をかけます。
「指揮権をお返しするよ、将軍殿。その前に、わしからの最後の命令じゃ。
全員、生きてここへ帰れ。
敵を殺す事が勝利ではない。一人の犠牲者も出さず、全員生き延びることこそが、真の勝利じゃ。
アントステラは上空で待機する」
「ありがとうございました、艦長」
「ありがとう、おじいちゃん」
デッキで敬礼するユキヲ艦長を乗せて、アントステラはオートパイロットで上昇して行きます。
メイフェア隊は、最後の命令を胸に、全員敬礼で見送るのでした。
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