二 おーい、そこのおねえさーん

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 更紗は部室へと向かう途中、自分が所属している部のことを綾音に説明した。 「わたし、ボランティア部に入っているんです」 「ぼら……、なにかしら?」  綾音は、まるでその言葉を初めて耳にしたかのように聞き返した。更紗は少しだけ不思議に思いながらも、所属する部の名前を繰り返した。 「ボランティア部です。学校周辺の掃除とか、老人ホームの手伝いに行ったりとか。あれです、慈善事業とかいうやつです」 「ああ……」  綾音が軽く頷く。更紗は「でも」と言って、恥ずかしそうに続けた。 「ボランティアって言っても、今はもう名前ばっかりになってしまって。捨てられていたり、飼えなくってしまった小動物を世話するだけの、『飼育部』だなんてバカにされちゃってるんですけど」 「なら、どうしてその部活に?」 「あ、えと、その……。そこでハムスターを飼ってるんですけど、その瞳がキレイな紅い色をしているんです。それがカワイクって、入部しちゃいました」 「そう」  綾音は紅い瞳を細めた。 「あのっ。綾姉様の瞳も紅くてキレイです。というより、綾姉様の方が断然キレイです!」  綾音は少し驚いて、薄く微笑んだ。     
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