二 おーい、そこのおねえさーん

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「あのっ、お昼のときに頂いたお茶のお礼です」  更紗は白いテーブルの上で優雅に頬杖をついている綾音のもとへと戻り、お茶の紙パックを差しだした。 「あら、お礼なんていいのに。でもそうね、せっかくだから頂くわね」  お茶を受け取り、にっこりと微笑む。  それだけで、更紗は天にも登るような嬉しい気持ちになった。 「どうしたの、更紗。おかけなさい」 (ああっ、綾姉様。座れという言葉もステキ)  更紗はほっこりとした笑顔で、白い椅子にちょこなんと座った。  しなやかな指でストローを取りだし、先端を伸ばしてからぷつりと刺す。それだけの動作でも、綾音の動きにはまるで演劇のような、思わず見蕩れてしまう、洗練された美しさがあった。  そっとストローにくちづけして、お茶を吸い込んでから、綾音はようやく更紗の熱い視線に気がついた。 「あら、なぁに? 私の顔に何か付いていて」 「いえっ、そんな、違います。あの、綾姉様が、その、キレイだな……って」     
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