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「何を呑気な事をっ。 これを刑事の不手際にされたり、病気療養を使われて病院に入院したらっ! あのクソ弁護士達が何を言い出すかっ」
苛立ちを抑えきれない里谷刑事は、木葉刑事が遠矢を責めたとは思って無い。 寧ろ、送検を渋る警察を欺く為に、遠矢自身が態とやったと思っていた。
困った様な態度をする木葉刑事は、頭を掻きながら。
「いっそのこと、逮捕じゃなくて射殺とか出来たら、良かったかなぁ~」
と、恐ろしい事を口にした。
それは言い過ぎとも言い切れない里谷刑事は、パイプ椅子にドカッと座って。
「あぁっ、パフェ食べよっ。 イライラして、気が落ち着かないわっ」
二人分の新商品を取り出し、八つ当たりの様に自分の方を食べ始める。
だが、木葉刑事は心配などして居ない。 遠矢は、遠矢自身の罪で死ぬと、ハッキリ理解していた。
夜に成って、警視庁が騒然としてしまった。 救急車で運ばれた遠矢だから、警視庁内でも混乱する。
“行き過ぎた取り調べは無かったか”
“何等かの薬物を飲まされた可能性は?”
“接見した弁護士から、何かを吹き込まれて居なかったのか”
憶測が飛び交い出して、騒動を聞きつけた悪徳弁護士が夜8時過ぎにはクレームを付けて来た。
“これはいよいよ、相手のいい様にされる”
と、刑事達も意気消沈する。
だが、そんな風に事が進む筈も無い。 木葉刑事の或る行動に因って、遠矢は地獄に堕ちていた。
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