第一章・続3

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さて、警視庁にて、遠矢の事を調べる刑事達が絶望感に浸って居た頃か。  気絶した遠矢が目覚めたのは、警察病院での病室。 然し、目覚めた瞬間からまた喚いた遠矢で在り。 慌てる看護師が医師を呼び、彼へ鎮静剤を打とうとする医者だが。 遠矢は、そんな医師へと掴み掛かるなり。 「頼むっ! 刑事を呼んでくれぇっ!! 俺を今すぐっ、警察に戻してくれぇ!!!!!」 と、縋り付いて懇願したのだ。 遠矢の物言いに驚いた医師。 予想では、刑事側の何らかの仕業で気を失ったと思っていたのだ。 困った医師は、直ぐに待機していた刑事課の木田一課長やら小山内理事官を呼ぶ。 病室ながら、刑事課の責任者が来るなりに遠矢は、有りっ丈の知る情報をぶち撒け始める。 先ず、大阪にて古川刑事が亡くなった事を知り。 その遺族をボロボロにしようと考え、詩織への接近を計った最近から話は始まった。 いきなり自分の罪を懺悔をするかの様に、余罪についての自白をされ。 木田一課長も、小山内理事官も心底から驚いた。 “とにかく、捜査本部の刑事達を呼べ” 木田一課長の指図で、病室での取り調べと変わった。 警察病院に呼ばれた刑事達は、 “もう地と天がひっくり返った” 本当にそう思うほどの驚きだったが…。 遠矢の話の続きを聴き始めると、次は京都での話だ。 京都と大阪の府議会議員の弱みを握り、その妻や娘を手に掛けた事。 その握った弱みと云うのは、密かに官製談合が行われ、府議会議員の家族が関わる企業や暴力団関係者と関わり有る下請けを有する企業に優先して、半ば意味のない公共事業を受注させた事を語る。 “事実確認を急げっ” “起きている刑事、謹慎を言い渡された刑事も呼び出せっ” 取り調べの行われる病室の外では、木田一課長と小山内理事官が他の刑事達を呼び寄せる事で忙しく成った。 さて、更に遠矢の自白はそのまま続き、なんと深夜まで続く。 そして、神奈川に住んで居た頃、都内にて向坂なる例の女性を殺害したと自供した。 その話は、広縞関連の取材を隠れ蓑にした計画性のある犯行だった。 更に時を遡って、麻薬の汚染を取材する傍ら。 快楽目的で、男からホステスやら風俗業の女性が麻薬を覚えさせられて。 その違法薬物の使用を見逃す見返りに、肉体やら金銭を要求し。 払えない者には、自分の個人的な付き合いの在る議員や企業幹部や闇の交際相手へ、彼女達を斡旋したと云う。
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